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10数年前にじいちゃんを亡くし、 ずっとひとりで住んでいたばあちゃんが、 寂しいと言った…
その家に、ばあちゃんは、ひとりで住んでいた。
毎朝、2枚のパンと納豆、それにリ ンゴを絞ったジュース。
何十年も淡々と続けられた、変わらない暮らし。その家が取 り壊される。
家中に山積みになったガラクタ。それは、この家に流れていた時間の証。
「それを捨てられちゃ困る。死んでも捨てられない」と、ばあちゃんは呟く。
解体される家。ひとつ物を捨てる度に、ひとつの時間が消えてゆく。
ささやかだけれど、慈しむように営まれたひとつの歴史の終わり。
前作『ジム』では、多摩川沿いの小さなボクシングジムの若者たちの姿を見つめ続けた
山本起也監督の新作は、ばあちゃんの家の終焉を愛おしむように見つめた、ひと夏の
小さなレクイエムとなった。
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